2026年8月24日、BLP-Network様の8月定例会「改正公益信託制度」に、代表弁護士・下西祥平がパネリストとして登壇しました。新制度の第1号認可案件で信託管理人を務める立場から、弁護士の関わり方をお話ししました。
■ 定例会の概要
定例会はオンラインで開催され、内閣府で公益法人の行政実務をご担当されている大野卓様、BLP-Networkメンバーの弁護士岸本英嗣先生とともに登壇いたしました。
登壇者による話題提供の後、参加者の皆様との意見交換が行われ、多くのご質問をいただきました。主な内容は以下の通りです。
①改正後の公益信託制度の概要
②公益信託において弁護士に期待される役割
③第1号案件をもとにした、弁護士の実務的な関わり方
(受託者の支援や、信託管理人としての関わり方など)
④参加者の皆様との意見交換
‣‣ 開催報告は、BLP-Network様のホームページでもご覧いただけます。
https://www.blp-network.com/2026/08/26/teireikai-0824
■ 下西弁護士が登壇した経緯
新しい公益信託制度は、2026年4月1日に始まりました。これまでの制度では、公益認定の要件やガバナンス(組織の運営体制)の負担が重いことや、信託法の制約から信託銀行による取り扱いが中心となっていたことから、利用が広がっていませんでした。
今回の改正は、こうした課題を解消するための大きな見直しです。
内閣府も、2025年から2026年3月にかけて全国で説明会を開催するなど、制度の普及に力を入れてきました。こうした中、下西弁護士は、新制度の第1号の認可を2026年6月9日に取得された「認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ」様(https://musubie.org/)の公益信託において、信託管理人に就任いたしました。
詳細はこちら▼▼
新しい公益信託制度の第1号案件において、代表弁護士・下西祥平が信託管理人に就任しました | 弁護士法人共創 広島駅前法律事務所
今回の登壇は、そのご縁によるものです。
■ 公益信託制度とは?
公益信託制度とは、契約や遺言によって、受託者(財産を預かって運営する人・団体)に財産を託し、受託者がその財産を使って、委託者(財産を託した人・団体)の想いに沿った公益活動を行う仕組みをいいます。
従来の公益信託は、信託銀行や信託会社が担うものとされ、扱う財産も規模の大きい金銭に限られていたことから、あまり活用されてきませんでした。今回の改正により、担い手や財産の範囲が広がり、財産や団体の性質に合わせたオーダーメイドの設計ができるようになりました。新しい資金調達の方法として、社会課題の解決に役立つことが期待されています。
■ 改正で何が変わったのか?主な3つのポイント
①担い手(受託者)が広がった
信託銀行でなくても運営できる制度になり、会社、社団法人、財団法人、NPO法人、さらに個人も、財産を預かって運営する受託者になれるようになりました。
②税制優遇を受けられる
認可を受けた公益信託に財産を拠出する個人や会社は、公益法人への寄附と同じく、寄附金控除、別枠での損金算入、譲渡所得の非課税といった税制優遇を受けられます。
また、財産を管理する側は、公益法人のような厳格な組織体制を整える必要がなく、柔軟に設計できます。
③信託できる財産が広がった
金銭に加えて、不動産、株式、美術品なども信託財産にできるようになりました。信託財産は分別管理され、受託者自身の財産とは明確に区別されます。
■ 地域の公益活動を支える弁護士の役割
新しい公益信託は、地方で活動するNPOにとっての新しい資金調達の方法として注目されています。
また、信託分野を専門としない弁護士にとっても、財産管理や監査の業務の素養や経験があれば、学びながら取り組める分野だと考えています。地域でこの制度を活用する団体が増え、公益活動への資金の循環が生まれることを願っています。
今後も、公益活動に取り組む皆様が新しい制度を安心して活用できるよう、法務面からサポートしてまいります。
主催:BLP-Network
公益信託の設計や信託管理人に関するご相談は、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
