さて、皆様、備後い草ってご存じですか??
広島県東部および岡山県の西部エリアを備後地域といいます(諸説ありますが、おおむね、広島県(福山市、三原市、尾道市、府中市、世羅町、神石高原町)、岡山県(笠岡市、井原市)を指すようです)
この地域は、約700年前から畳の原料であるい草が生産されていたことが古い記録で残っているそうです。い草の品質としても最高級品質であり、安土桃山時代には織田信長が安土城に敷き、豊臣秀吉が取り寄せ、江戸時代には幕府にも献上されていた文化的遺産ともいえます。
い草は苗分けをして継承していきますが、今では、備後産の苗をつかい、備後の地域で生産し、備後で畳表に加工する、本備後といわれる純粋の備後い草、備後畳表の個人の生産者はお一人になってしまいました。日本各地にある伝統的なものづくりの歴史や文化は、時代の流れとともに、今姿を消そうとしています。それは、そのまま地域の衰退を写す鏡ともいえると考えており、文化を保存するだけでなく、継承し、そして現代の価値を創造していくことが必要ではないかと思います。
い草は、寒くなる11月に植え付けをして、夏の一番暑い時期である7月上旬に刈り取ります。今回はい草の植え付け体験を通じて、日本に残る文化の価値に触れ、また、その後、参加者で生産者目線でみる備後い草の価値や消費者目線で伝えたい備後い草の価値について意見を出し合うワークショップをしました。誰かが、一方的に価値を伝えるのではなく、価値を共感し、共創し、そして共有する、そんな日本になっていってほしいと思う1日でした。
※我が子もつれていきましたが、田んぼから足が抜けない~といいながら、一生懸命歩く努力はしていました(笑)
