新型コロナウイルスに関する企業の法的対策のポイント(労務管理編)

【キーワード:新型コロナウイルス、感染症法、指定感染症、厚生労働省、労働基準法、労働契約法、判例、賃金、休業手当、不可抗力、出社拒否、安全配慮義務、自宅勤務、テレワーク、BCP、事業継続計画】

【はじめに】

今般、政府により新型コロナウイルス感染症対策の基本方針が決定・発表され、それと共に日々新たな情報や政府要請が発信され、事業活動の停滞を招き、経済に大きな影響を及ぼしている。

事業者としては、既に発生した結果への対応と共に、同種の事態に備えたBCP(事業継続対策)が必要である。そして、その対策が法律上問題が発生しないかを確認しておく。漫然と何らの対応を講じない場合には、社内的には労務管理上の問題(賃金支払・安全配慮義務)及び経営上の問題(役員の善管注意義務)が発生するリスク、さらには社外的には事業継続上の問題(契約責任)が発生リスクを所持させる。

ここでは、既に公表されている論文や政府公表の情報を、できる限りコンパクトかつ端的にまとめた。正確性の点ではやや不十分さがでるかもしれないが、分かりやすさを優先したためご容赦頂きたい。なお、本整理は、厚生労働省のホームページに掲載されている「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」及び「中野明安弁護士がNBLに寄稿された「新型インフルエンザと法的リスクマネジメント-企業における対策のポイントと法律実務家の役割」(NBL No.899-10頁以下)に依拠する部分が大きい。

なお、本記事は令和2年3月1日時点のものであり、今後の政府の対応、法令制定、法令改正により記載内容に変更が生じる可能性があるので、ご留意頂きたい。

【厚生労働省】

・休業等の判定基礎期間の初日(出向の場合は出向開始日)が令和2年3月1日以降にある場合の本助成金の支給額算定において、助成額単価の上限額となっていた雇用保険の基本手当日額の最高額が従前の8,335円から8,330円に見直されました。

・新型コロナウイルス感染症の影響に伴う雇用調整助成金特例

・新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援(新たな助成金制度)についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09869.html

1.<感染者・感染が疑われる方を休業させる場合>
Q)新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。

A)新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、欠勤中の賃金の取り扱いについては、労使で十分に話し合っていただき、労使が協力して、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えていただくようお願いします。
 なお、賃金の支払いの必要性の有無などについては、個別事案ごとに諸事情を総合的に勘案するべきですが、労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。

※不可抗力による休業の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。ここでいう不可抗力とは、

①その原因が事業の外部より発生した事故であること、

②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

の2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。例えば、自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分検討するなど休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当する場合があり、休業手当の支払が必要となることがあります。

<感染した方を休業させる場合>
Q)労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合、休業手当はどのようにすべきですか。

A)新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。
なお、被用者保険に加入されている方であれば、要件を満たせば、各保険者から傷病手当金が支給されます。
  具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2について、傷病手当金により補償されます。具体的な申請手続き等の詳細については、加入する保険者に確認ください。

Q) 新型コロナウイルスへの感染が疑われる方(特定はできない)について、使用者が業務命令で出勤停止(休業命令)で自宅待機させる場合、賃金又は休業手当の支払いは必要ですか。また、会社の役員としての善管注意義務違反を問われませんか。

A)風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合には、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。

「帰国者・接触者相談センター」の結果を踏まえても、職務の継続が可能である方について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般論として「使用者の責に帰すべき事由による休業」(労働基準法26条、民法536条2項)に当てはまり、賃金又は休業手当を支払う必要があります。

 なお、上記検査結果が出るまでについては原則として休業手当を支払う必要はないと考えます。ただし、その場合でも「使用者の責に帰すべき事由」は存在しないというために、使用者が新型コロナウイルス対策として取り得る感染予防対策を策定し、適切な健康管理体制を実施していることが必須です(民法536条1項)。

 また、専門家等から科学的医学的知見を取り入れ対応策を実施し、十分な資料に基づき出社禁止を判断したのであれば、取締役の善管注意義務違反(会社法330条、民法644条)の責任は免れ得ると考えます。

【参考裁判例】 片山組事件第一審判決(東京地判平成5年9月21日判タ835-199)

【関連法令】

  • 労働基準法第26条(休業手当)
  • 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。
  • 民法第536条(債務者の危険負担等)
  • 1 前二条に規定する場合を除き、当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を有しない。
  • 2 債権者の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債務者は、反対給付を受ける権利を失わない。この場合において、自己の債務を免れたことによって利益を得たときは、これを債権者に償還しなければならない。

2.<事業の休止に伴う休業>
Q) 新型コロナウイルス感染症によって、自治体からの要請や取引先の事業休止に伴い、当該事業所の事業の休止を余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等に労働者に対する賃金支払又は休業手当の支払に応じなければならないのでしょうか。

A)今回の新型コロナウイルス感染症により、事業の休止などを余儀なくされた場合において、労働者を休業させるときには、労使がよく話し合って労働者の不利益を回避するように努力することが大切です。
 また、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、賃金又は休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています(民法536条2項、労働基準法26条)。新型コロナウイルス対策を策定し、適切な健康管理体制を実施しているにもかかわらず(*1)、自治体等からの要請や外的な要因により事業所閉鎖がやむを得ない場合には、使用者に責めに帰すべき事由はない(不可抗力)として、賃金又は休業手当の支払義務はありません(民法536条1項)(*2*3)。
 例えば、海外の取引先が新型コロナウイルス感染症を受け事業を休止したことに伴う事業の休止である場合には、当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます(*4)。

【参考裁判例】

  • *1新聞輸送事件(東京地判昭和57年12月24日労民集33-6-1160)
  • *2丸島水門事件(最判昭和50年4月25日民集29-4-281)
  • *3ノースウェスト航空事件(最判昭和62年7月17日民集41-5-1350)
  • *4扇興運輸事件(熊本地八代支決昭和37年11月27日労民集13-6-1126)

3.<労働者の自主休業>
Q)労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。

A)会社を休んでいただくよう呼びかけをさせていただいているところですが、新型コロナウイルスかどうか分からない時点で、発熱などの症状があるため労働者が自主的に休まれる場合は、通常の病欠と同様に取り扱っていただき、病気休暇制度を活用することなどが考えられます。労働者自らの判断で有給休暇を取得される場合もあります。
 一方、例えば発熱などの症状があることのみをもって一律に労働者に休んでいただく措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。

Q)社会機能維持のために継続業務に従事して欲しい場合に、自主休業している者に対して、業務命令として出社を指示することはできますか。また、当該命令に背いて欠勤する労働者に対して解雇等の懲戒権の行使は可能ですか。

A)使用者が安全配慮義務を尽くして感染リスクを排除した労働環境を構築しているのであれば、使用者は労働者に対して業務命令として適法に出社を命じることはできます。しかし、逆に、そのような感染リスクを排除した労働環境を構築していないのであれば、労働者は危険な場所には出社できないので、早急に改善してほしいという要求ができます。労働者は、労務の提供の準備はできているので、感染リスクを排除できた労務環境を整えて、感染リスクを排除する体制を整えて、労務の提供をさせよ、と明確に催告することで、労働義務の不履行の責任を免れ得ると考えます(民法493条)。

 なお、懲戒権の行使のためには、行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由があること、社会通念上相当と認められる場合でなければ、権利濫用として無効となるところ(労働契約法15条・解雇については同法16条)、新型コロナウイルスの影響を懸念しての休業は、懲戒権を行使する社会的正当性がないと考えられます。懲戒としての制裁を科すことはできず、せいぜい労務の一部不履行としての賃金カット等がなし得る程度と考えます。

【法令】

  • 民法493条(弁済の提供の方法)
  •  弁済の提供は、債務の本旨に従って現実にしなければならない。ただし、債権者があらかじめその受領を拒み、又は債務の履行について債権者の行為を要するときは、弁済の準備をしたことを通知してその受領の催告をすれば足りる。
  • 労働契約法15条(懲戒)
  •  使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。
  • 労働契約法16条(解雇)
  • 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする

4.〈事業継続時の安全配慮義務の程度〉
Q)新型コロナウイルスのパンデミック前後期においても事業を継続したいが、労働者への「安全配慮義務」については、どの程度の配慮をすれば、きちんと対応したことになりますか。マスクや防護服を供与しても感染し健康被害があれば、安全配慮義務違反になりますか。なお、同業者では特に何らの対策も検討していない状況です。

A)新型コロナウイルスから労働者の安全を確保すべき事業者は、当時の科学的知見に基づく対応策を実施しなければ安全配慮義務に違反するのであり、一般的な事業者が新型コロナウイルスの危険性に着目した対策を講じていなかったとしても、労働者が罹患し、健康被害がでれば、安全配慮義務違反を免れません(*1)。また、単にマスクや防護服を供しただけで、安全配慮義務が尽くされたとはいえず、マスクや防護服などが防具としての効果が認められるものであること、さらに利用に耐えうること、そして当該防具を適切に使用することを管理・教育することまで必要となります(*2)。

〈参考裁判例〉

  • *1 最判平成18年3月13日判時1929-41
  •   高等学校の生徒が課外のクラブ活動としてのサッカーの試合中に落雷により負傷した事故について引率者兼監督の教諭に落雷事故発生の危険が迫っていることを予見すべき注意義務の違反があるとされた事例
  • *2 福岡高判平成13年7月19日判タ1077-72(筑豊じん肺訴訟控訴審)その他各種石綿アスベスト訴訟等

5.<年次有給休暇と病気休暇の取り扱い>
Q)新型コロナウイルスに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。病気休暇を取得したこととする場合はどのようになりますか。

A)年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません(労働基準法39条5項)。事業場で任意に設けられた病気休暇により対応する場合は、事業場の就業規則などの規定に照らし適切に取り扱ってください。
 なお、使用者は、労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならないことにご留意ください(労働基準法附則第136条)。

〈法令〉

  • 労働基準法39条(年次有給休暇)
  • 5 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
  • 労働基準法附則第136条
  •  使用者は、第39条第1項から第3項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

6.〈一部の従業員の業務増加への対応〉
Q) 新型コロナウイルス感染症の対策のため、イベントの中止や学校の休業、事業活動の閉鎖や縮小などの影響を受けて、労働時間が減少してしまうことや、休む従業員が増えたときに残りの従業員が多く働かないとならない事態が考えられます。この点について法律はどのような対応を考えていますか。

A) ① 1年単位の変形労働時間制

今般の新型コロナウイルス感染症に関連して、人手不足のために労働時間が長くなる場合や、事業活動を縮小したために労働時間が短くなる場合については、1年単位の変① 1年単位の変形労働時間制形労働時間制を導入することが考えられます(労働基準法32条の4)。
 また、今回の新型コロナウイルス感染症対策により、1年単位の変形労働時間制を既に採用している事業場において、当初の予定どおりに1年単位の変形労働時間制を実施することが困難となる場合も想定されます。1年単位の変形労働時間制は、対象期間中の業務の繁閑に計画的に対応するために対象期間を単位として適用されるものであるので、労使の合意によって対象期間の途中でその適用を中止することはできないと解されています。
 しかしながら、今回の新型コロナウイルス感染症への対策による影響にかんがみれば、当初の予定どおりに1年単位の変形労働時間制を実施することが企業の経営上著しく不適当と認められる場合には、特例的に労使でよく話し合った上で、1年単位の変形労働時間制の労使協定について、労使で合意解約をしたり、あるいは協定中の破棄条項に従って解約し、改めて協定し直すことも可能と考えられます。
 ただし、この場合であっても、解約までの期間を平均し、1週40時間を超えて労働させた時間について割増賃金を支払うなど協定の解約が労働者にとって不利になることのないよう留意が必要です。

② 36協定の特別条項

 特別条項の運用については、「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に定めなければならず、「業務の都合上必要な場合」、「業務上やむを得ない場合」など恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを定めることは認められないことに留意しなければならない。」としているところです(平成30年厚生労働省告示第323号)。
 一方で、今般のコロナウイルス感染症の状況については、36協定の締結当時には想定し得ないものであると考えられるため、例えば、36協定の「臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」に、繁忙の理由がコロナウイルス感染症とするものであることが、明記されていなくとも、一般的には、特別条項の理由として認められるものです。
 なお、現在、特別条項を締結していない事業場においても、法定の手続を踏まえて労使の合意を行うことにより、特別条項付きの36協定を締結することが可能です。

③ 労働基準法33条

 労働基準法33条は、災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等を労働基準監督署の許可により認めています。同条による「災害その他避けることのできない事由によって、臨時の必要がある場合」に該当するかは、新型コロナウイルスに関連した感染症への対策状況、当該労働の緊急性・必要性などを勘案して個別具体的に判断することになりますが、今回の新型コロナウイルスが「指定感染症」(「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」第6条8項)に定められており、一般に急病への対応は、人命・公益の保護の観点から急務と考えられるので、要件に該当し得るものと考えられます。もっとも、新型コロナウイルス対策の必要性、合理性の十分な検証がされないまま、安易な人員削減を行い、一部の労働者にしわ寄せがきているような場合には同条による許可がなされない可能性はあります。
 ただし、労働基準法第33条第1項に基づく時間外・休日労働はあくまで必要な限度の範囲内に限り認められるものですので、 過重労働による健康障害を防止するため、実際の時間外労働時間を 月45時間以内にするなどしていただくことが重要です。また、やむを得ず月に80時間を超える時間外・休日労働を行わせたことにより 疲労の蓄積の認められる労働者に対しては、医師による面接指導などを実施し、適切な事後措置を講じる必要があります。

(参考)時間外・休日労働とは?
労働基準法第32条においては、1日8時間、1週40時間の法定労働時間が定められており、これを超えて労働させる場合や、労働基準法第35条により毎週少なくとも1日又は4週間を通じ4日以上与えることとされている休日に労働させる場合は、労使協定(いわゆる36協定)を締結し、労働基準監督署に届け出ていただくことが必要です。
しかし、災害その他避けることのできない事由により臨時に時間外・休日労働をさせる必要がある場合においても、例外なく、36協定の締結・届出を条件とすることは実際的ではないことから、そのような場合には、36協定によるほか、労働基準法第33条第1項により、使用者は、労働基準監督署長の許可(事態が急迫している場合は事後の届出)により、必要な限度の範囲内に限り時間外・休日労働をさせることができるとされています。労働基準法第33条第1項は、災害、緊急、不可抗力その他客観的に避けることのできない場合の規定ですので、厳格に運用すべきものです(昭和22年9月13日次官通達17号、昭和26年10月11日労働基準局長通達696号)。
 なお、労働基準法第33条第1項による場合であっても、時間外労働・休日労働や深夜労働についての割増賃金の支払は必要です。

7.〈感染者の就労について〉
Q)会社の従業員が新型コロナウイルスに罹患したため、その出社を禁じていたが、従業員側から体調は悪くないので自宅勤務をしたいと申し出がありましたが、これを認めてもよいのでしょうか。

A) 2月1日付けで、新型コロナウイルス感染症が指定感染症として定められたことにより、労働者が新型コロナウイルスに感染していることが確認された場合は、感染症法に基づき、都道府県知事が該当する労働者に対して就業制限や入院の勧告等を行うことができることとなります。
 使用者におかれましても、感染症法に基づき都道府県知事より入院の勧告を受けた労働者については、入院により就業できないことをご理解いただくとともに、都道府県知事により就業制限がかけられた労働者については、会社に就業させないようにしてください。
 また、発熱等の風邪症状がみられる労働者については休みやすい環境の整備にご協力をお願いします。
 仮に自宅勤務であっても、それにより病状の悪化、回復の遅れが認められる場合には、使用者の安全配慮義務違反を免れることはできませんし、労働者からの申出があったことは免責事由になりません。

8.〈在宅勤務・テレワークの導入〉
Q)新型コロナウイルスの感染防止のため、自社の労働者にテレワークを導入したいと考えていますが、どこに相談したらよいのでしょうか。また、どのような点に留意が必要でしょうか。

A)厚生労働省では、テレワークに関連する情報を一元化した『テレワーク総合ポータルサイト』を設け、テレワークに関する相談窓口、企業の導入事例紹介などテレワークの導入・活用に向けた各種情報を掲載していますので、参考にしてください。
 テレワーク総合ポータルサイト

また、テレワーク時にも労働基準関係法令が適用されますが、労働者が通常の勤務と異なる環境で就業することになるため、労働時間管理などに留意いただく必要があります。厚生労働省で、留意点などについてまとめたガイドラインを作成していますのでご活用ください。
 情報通信技術を利用した事業場外勤務の適切な導入及び実施のためのガイドライン

新型コロナウイルス感染症に係る時間外労働等改善助成金(テレワークコース、職場意識改善コース)の特例についてhttps://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09904.html

 なお、在宅勤務と通常勤務の賃金の取扱いについては、就業規則等で賃金について別段の定めをしていない限り、同様になります。これを機に賃金規程において、手当を含めた見直し議論をすることが望ましいと考えます。